いっとき避難場所

人間万事塞翁が馬

ファンタジー、現実

毛糸のポンポン玉を投げては受け止めるような

蒸気に手を当てているような

微妙な気分である

 

現実は間近にあるのである

それというのは、好きでもない人と話し

やりたくもないことをやり

世間話をして

不公平についてあれこれ言う

 

最近、

子供の頃の良かった記憶を思い出している

嫌な記憶だけでなく

 

洋裁というのはその長たるもので、祖母から手作業として教わった記憶であるし、本を読むというのも祖父やおじから与えられた機会だった。

本当に母から与えられた良い記憶というのはないのだろうかと考える。

 

つまり人生の一時期まではニュートラルだったのだ。母から何を言われても、意に介さなかったというか、自分の興味とか日々の課題に集中していた。

それがいつから、神経症的というかあんなことになったんだっけと思い起こしたりする

 

いずれにせよ、一気にはいかない

 

現実を忘却しちゃいけない、のだが。

 

…◯◯が屈辱的とか、そんなことはこの際どうでも良いのである。

表面的なことがらだ。

 

わたしは小学校を辞めた時に、疲れ果てていた。

家で母と毎朝ひどい喧嘩をして、帰れば鍵がかかって締め出され、プールに週3日、塾が週三回+隔週日曜だったかな、それからピアノが毎週あった。

四年生までひどいいじめにあっていて、教室に行くといつもわたしの机がなかったり、物がなくなったりした。

敬語で育てられていたから、ぶりっ子と言われたし、色が白くて髪がカールしてたので、サザエの幽霊とか言われた。

祖母が作ったものばかり使っていたから、全てのものが古くて、それが嫌だというと、母から、"あなたが嫌だと言ってるのをばばに言いつけるわよ"と言われた。

それがわたしは嫌だった。

みんなと同じものがほしいというと、周りが下品だし、あなたのことが羨ましいからみんなあなたをいじめるのよと言われた。

…汚いということになってたから、体育はいつも先生とくんでいた。

 

弟がわたしよりよい私立に受かったので、母はわたしに頓着せず、家に帰ると鍵が閉まりっぱなし(時間が遅れてるか、わたしのことを忘れているかどちらか)のことが増えた。

当時生きていた父方の祖母の家が歩いて15分くらいのところにあったので、家の鍵が閉まっていると言って遊びに行った。

祖母はむかしフランスで働いていた人で、行くと紅茶を出してくれて、わたしにいろんな外国の本を読んでくれた。

わたしが家に入れないと行って祖母の家に行くのが、母はあまり好かないようで、ぶつぶつと後で文句を言われた。

その年の終わり頃に、祖母が亡くなった。

 

五年生になって、好きな人ができて、いろいろ気合を入れて頑張った結果、わたしはクラスの人気者になった。言われたら明るく言い返しいつも笑った。

女子グループに入り、友達もたくさんできた。

わたしは、敬語を使うのをやめて、みんなと同じように話すことにした。みんなと同じようなテレビを見た。

母と軋轢が悪化して、顔を合わせれば喧嘩ばかりになった。

 

五年生の終わりから、朝起きて学校に行くのが辛くなった。

ベッドでごろごろしていたら、母が怒ってラケットのガットでわたしを叩いた。

 

わたしは小学校(私立だった)を辞めたいと言った。

もう疲れた。くだらないアイドルの話ばかりだし、周りの友達も嫌な人ばっかり。先生もバカみたい。もう辞めたい。

わたしは自分の本当の気持ちがなんなのかを表すことができなかったのだ。

登校拒否には理由がないことが多いし、仕方ないことがあると当時はよく言われていたけれど、

たぶん子供というもの…あるいはわたしが弱かったのかもしれないけど、がそもそも、言葉にする力がよわいからなのだと思う。

 

母はわかったと了解して話に行った。

やめたいといった一ヶ月後に、わたしは学校を辞めていた。

母と父が、校長先生に話してきたから三学期から公立だ、と言った時に、わたしは驚いた。

そう、と言った。

 

あなたは周りの人をバカにしている。天狗になってる、と母は言った。

 

それきりわたしは学校に行かなくなったんだった。

 

わたしは話を聞いて欲しかったのだろうか。

理由を聞いて欲しかった。

 

母を責めると、みんなが母をかばった。

おかあちゃまは本当はあなたのことをよく考えていらっしゃるのよ、という。

 

わたしはそう思っていなかったけど、そう思おうとした。

 

おかあちゃまはあまりに鈍くて、

わたしの気持ちには無頓着だったのではなかろうか。

弟が死んだ時に、ものすごく疲労が蓄積して寝不足の状態であったにもかかわらず、カレーうどんを食べさせるために起こしたと聞いて、

わたしは後から絶句した。