いっとき避難場所

人間万事塞翁が馬

弟の自立

弟が死ぬ一年くらい前に、

一人暮らしとかしないの?という話をした。

 

と、いうのは弟は30越しても実家で小遣いをもらって生活しており、

大学院生だから仕方ないけど、助教の契約が切れた後は基本的には奨学金もTAのバイト代で生活していたからだ。

 

そうしたら弟がいうには、

"ほしいものは買えるし、ご飯はあるし、俺は何を困っているんだろう。おれはこれで十分なんじゃないかと思うんだよね。

それよりおれは最近、自分がどんな顔して死ぬんだろうかと思うんだ。"

 

そうして、弟は死んだふりの顔をした。

やめなさいよとわたしは怒ってぼかすか叩いた。

 

一年後彼が倒れたとき、そっくり同じ顔だった。

わたしはたぶん、そのおかげで、少しだけショックが減ったと思う。

 

 

…人がどうこういうより

結局、みんなそれで満足してたならそれで良かったのだろうか。